声優の鉄板練習 外郎売り 現代語訳①
声優、俳優の方がよく練習の場面で使用する【外郎売り】という題材があります。
今回はその外郎売りの概要や現代語訳をまとめていきます。
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- 外郎(ういろう)売りとは?
- 外郎売り現代語訳①
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外郎(ういろう)売りとは?
そもそも、外郎売りというのは享保3年に、市川団十郎によってつくられた歌舞伎の演目に登場する口上です。
「外郎」というのは、たん切りのために使われる薬のこと。
お菓子の「ういろう」とは違うんですね笑。
もとはたん切りの薬のはずですが、万病に効き、舌もよく回るようになるという説明の後に、早口言葉や言葉遊びのパートが出てきます。
だから、声優や役者の滑舌練習に使われるんですねー。
早速、導入部からみていきましょう。
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外郎売り現代語訳①
・拙者(せっしゃ)親方と申すは、お立ちあいのうちにご存じのお方も御座いましょうが
(私の親方は、集まっている方々の中には、もう知っている人もいると思いますが)
・お江戸をたって20里上方、相州小田原、一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば
(江戸をでて、京都方面に20里行ったところ、相州小田原、一色町を通り過ぎて、青物町を更に京都方面に向かったところに)
・欄干橋(らんかんばし)とらや藤右衛門、只今(ただいま)は剃髪(ていはつ)いたして、円斎と名乗りまする。
(欄干橋のとらや藤右衛門という店があります、そこの主人は、現在は出家して「円斎」という名前で暮らしています。)
・元朝(がんちょう)より大晦日(おおつごもり)まで、お手にいれまする此の薬は、昔、ちんの国の唐人、外郎とい
う人、わが朝へ来たり、
(元旦から大みそかまで、一年中手にしている(手元に置いている)この薬は、昔、中国の「ちん」という国の外郎という名前の人が、私たちのくに(日本)に来た際に、)
・帝(みかど)へ参内(さんだい)の折から、此の薬を深く篭め置き、用ゆるときは一粒(いちりゅう)ずつ、冠(かんむり)のすき間より取出(とりいだ)す、
(日本の帝に謁見するときに、この薬を大事に持ってきて、使用するときには一粒ずつ、外郎さんが被っている冠のすき間からとりだしていた)
・よってその名を、帝より「頂透香(とうちんこう)」と賜(たまわ)る。
即ち文字(もんじ)には、「いただき、すく、におい」と書いて「とうちんこう」と申す。
(その様子をみていた帝が、この薬の名前を「とうちんこう」と名付けた。文字で書くときには、頂き、透く、香いと書いて、とうちんこうと読む。)
*外郎には、頭の臭いを取るという作用もあることから、冠のすき間に入れていたらしいですよ。
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<読むときのポイント!>
- 強調させたいところと、流すところを考える。
- 句読点に囚われすぎない。
具体的には、出だしの文章、
拙者親方と申すは、お立ちあいのうちにご存じのお方も御座いましょうが、
では、「お立ちあいのうちに~」は補足説明ですよね。
なので、
拙者親方と申すは、お立ちあいのうちにご存じのお方も御座いましょうが、
のように、太字を強調して、それ以外を流すように読むといいです。
流す、というのは、声の大小で差をつけるよりは、読むスピードで差をつける方が自然かなー、と個人的に思ってます。
続きの文では、
お江戸をたって20里上方、相州小田原、一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋とらや藤右衛門、只今は剃髪いたして、円斎と名乗りまする。
ざっくりとは、この辺りを強調させたいかなと思います。
あくまで個人的にはなので、自分が大事だと思うところを意識的に読んでください。
あとは句読点。
お江戸をたって20里上方、相州小田原、一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋とらや藤右衛門、只今は剃髪いたして、円斎と名乗りまする。
この文であれば、相州小田原と一色町、青物町は並列の関係なので、その間のすき間は取らなくていいかなぁー。
◯を取りたい間として考えると、
お江戸をたって20里上方◯相州小田原一色町をお過ぎなされて/青物町を登りへおいでなさるれば◯◯◯
欄干橋とらや藤右衛門◯◯只今は剃髪いたして◯円斎◯と名乗りまする。
/を入れたところは、/の前で一回文章を収めたいけど、一息で読みたいところです。
強調させたい言葉の前後に、間をとるとそれだけでも、差別化されて言葉が浮き出てきますよね。
同じように打たれている「、」ですが、全部同じように間を取ると変になるので注意です。
続きや、別のポイントをまとめた記事はこちらになります。
https://seiyu-challenge.hatenablog.com/entry/2019/02/07/125519